見た目はかわいい!でも味は正直……。それでも毎年仕込む暖地さくらんぼ
4月下旬、実家の庭に暖地さくらんぼがいっせいに赤く染まる。枝いっぱいに連なる小さな実は艶々として、眺めるだけで気持ちが上がる。毎年この瞬間は楽しみだ。

🍒 暖地さくらんぼの特徴
暖地さくらんぼ(暖地桜桃)は、本州の関東以南でも育てやすい、自家結実性(1本で実が成る)に優れたサクランボ。4月下旬〜5月上旬に小粒で甘酸っぱい実を収穫でき、花も美しいため観賞用としても最適で、庭植えや鉢植えで手軽に楽しめる。
一般的なサクランボと比べると、実は小さめで酸味が強く、果肉が柔らかい。皮の張りがないので、高級サクランボ・佐藤錦のように食べた時のプチッという食感はない。完熟させると甘みも出るが、市販のサクランボと比べると味わいの面では正直……。毎年「かわいいな」とは思うのだが、「美味しいな」とはなかなかならないのが本音だ。
それでも、放っておけば鳥があっという間に食べ尽くしてしまう。せっかく実ったものを見捨てるのも惜しい。そこで3年ほど前から、毎年ジャムに加工して活用するようになった。加工してしまえば酸味も甘さに変わり、市販品にはないフレッシュな風味になる。これが案外気に入っている。
種取りは苦行。これを少しだけ楽にさせてくれる道具
暖地さくらんぼの加工でいちばんの手間は種取りだ。実が小さくて柔らかいため、力の加減が難しい。
最初は爪楊枝や竹串、菜箸で種取りをしてみたが、種をうまくとらえることができず、実が潰れてしまった。色々と検索してみると、「ストローがよい」という情報があったので、100均でステンレス製ストローを購入。ストローの直径がちょうどよく、実のへた側からまっすぐ押し込むと種がきれいにするりと抜ける。果汁のロスも少なく、慣れると1粒5秒ほどで処理できる。


とはいえ収穫した実が多いと、種取りだけでも1時間ほどかかります。心に余裕がある時に仕込むことをオススメします。
種を取り除いたら、まず仕込むのがジャム(コンフィチュール)。3年仕込んで行き着いた作り方は下記。
★暖地さくらんぼジャム(コンフィチュール)のレシピ
材料:暖地さくらんぼ、砂糖(暖地さくらんぼに対して50%前後の量)、レモン汁
①暖地さくらんぼを洗い、ザルで水を切る。種を取ったら、暖地さくらんぼを計量する。



②砂糖の分量はお好みで。とろみの強いジャムに仕上げるなら、さくらんぼの重量に対して砂糖は50~60%ほど。甘さ控えめのコンフィチュールにするなら砂糖は30~40%くらいといわれている。

個人的な好みですが……
暖地さくらんぼは柑橘系に比べると酸味が控えめなので、砂糖60%は甘すぎるように思います。暖地さくらんぼジャムの場合、私は50%くらいで仕上げています。


↑種を取り除いて計量したら450g。今回は思い切って甘さ控えめのコンフィチュールに仕上げたかったので砂糖30%にした。450g×30%=砂糖は135g。
今回はてんさい糖を使ったが、サクランボの赤をきれいに出したい時は、精製された白砂糖を使った方がよい。
③ホーローかステンレス製の鍋に暖地さくらんぼを入れて砂糖をまぶし、冷蔵庫で一晩くらい放置する。

一晩寝かせる時間がない人は、フォークの背などで暖地さくらんぼをつぶして果汁を出してもよいかと思います。仕上がりに粒感がほしい人は、1/2~1/3くらいをつぶして、残りは粒のまま…というふうに調整してもOK。

④果汁がほどよく出たら、火にかける。最初は中火~強火でグツグツと煮立たせて、アクが出てきたら取り除く。


アクが気にならない人は取る必要はないかも。アクを取ればすっきりした味わいに、取らなければ野趣あふれる味わいというところでしょうか。
また、種をお茶パックなどに入れて一緒に煮込むと、ペクチンが出せたり、より味が出せたりするようですが、私は面倒なので割愛。糖分が多ければとろみは自然と出るので、今のところ問題は感じていません。
⑤弱火で15分ほど煮る。

⑥とろみが出てきたらレモン汁を加え、さらに少し煮る。


↑今回は庭に成って残っていた柚子をレモンの代わりに使った。

今回はサクランボの量が多かったので柑橘1個使いましたが、サクランボの量が少なければレモンは小量でよいかも。また、「レモンなんてない!」という人は、レモンなしで仕上げても大丈夫。ただ、糖分が多い時は、レモンを入れることで味が引き締まるように思います(とろみも出る)。
⑦厚いうちに煮沸消毒した瓶に詰め、逆さにして冷ます。

昨年までは砂糖50%ほどでジャムを作っていたが、今年は思い切って砂糖30%にして甘さ控えめのコンフィチュールにしてみた。砂糖を抑えると、暖地さくらんぼ本来の酸味が生きて、チーズやヨーグルトとの相性が格段によくなった。
ただ、とろみは少ないので、パンに付けるならば糖分を増やしてもう少し煮詰めた方がよいかもしれない。また、砂糖が少ないと保存期間も減ると思った方がいいだろう。


今回は果汁がよく出たので、シロップだけの瓶も作ってみました。
★暖地さくらんぼジャム・失敗編
別の日、まだまだ暖地さくらんぼが木に成っているので、計量カップ1杯分だけ収穫してジャムを作ることにした。

↑計量カップからはみ出るほどだった暖地さくらんぼが、↓種を取ったら1割ほど減った?

↓心に余裕がない日だったので、粒をフォークでズブズブつぶしてから強火でしばらく煮立たせ、中強火でスプーンでぐるぐる。水分を一気に飛ばした。


↓5分ほどで完成。さっそくパンに塗って食べたが…冷めるとジャムがカチカチに固まり始めた。


一気に水分を飛ばし過ぎたことで、飴状になってしまった模様。その後、もう一度火にかけて、コンフィチュールを合せて無事、ジャムに変化させることはできたが、二度手間になってしまった。弱火で丁寧にコトコトと煮る作業の大切さを思い知った。

フルーツビネガーも仕込んでみた
コンフィチュール用に暖地さくらんぼをたっぷり仕込んだつもりだったが、木にはまだまだ実が成っている。鳥にくれてやってもよいのだが、ずっと木に実らせておくと糞害もひどくなる。今朝も車を見たら鳥の糞が。また、完熟し始めるとカメムシもやってくるのだ。
↓カメムシにかじられた暖地さくらんぼ。

このままではいけないと、もう少し収穫をすることにした。しかし、種を取る気力がない。そこでフルーツビネガーを仕込むことにした。
フルーツビネガーとは、果物と酢を合わせて漬け込んだもの。料理の酸味づけ、ドレッシング、炭酸水で割ってドリンクにもなる、使い勝手の広い保存食だ。
【暖地さくらんぼのフルーツビネガー】
材料:一般的には「果実1:氷砂糖1:酢1」と言われているが、今回は適当。
①種付きの暖地さくらんぼを清潔な保存瓶に入れる(量は瓶の半分~7分目程度)。
②瓶の隙間に氷砂糖を詰める。

③酢を瓶の上まで、実がしっかり浸かるまで注ぐ。
④ふたをして冷暗所で1〜2週間漬け込む。毎日軽く揺する。
⑤漬け上がったらザルで実を漉し、液体を別の瓶に移して保存する。
仕込んで2日後にはきれいな淡いルビー色に染まっていた。

1週間後、まずは炭酸水で希釈して飲んでみた。
市販されているフルーツビネガーは意外と添加物が多いが、これは正真正銘の無添加。


すっきりと飲めて、これから夏に向けて活躍しそう。
ただ、酸っぱい飲み物が苦手な夫は、ダメなようでした。
牛乳で割っても美味しく飲めた。牛乳は熱中症にもよいらしいので、朝ごはんに取り入れても◎。


ほかにも、オリーブオイルや塩と合わせてドレッシングにするなど、これから夏に向けて活躍する調味料となりそうだ。
▼ジャム作りに使った道具
・にちにち道具 野田琺瑯 片手鍋 ミルクパン ガス火専用 日本製 ホワイト 10cm YN-M10


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